見積り手法 概算見積り
はじめに
見積りとはシステム開発に必要なリソースを的確に把握すると同時に、プロジェクトの推進体制についてユーザに納得してもらい、成功を確約する作業に他なりません。その意味で、見積りにはプロジェクトの成否がかかっていると言っても過言ではないほどです。このガイドラインでは通常の見積り時により精度の高い見積りを行うための手法(FP概算法)に重点をおいて述べます。
概算見積りの目的
概算見積りの目的は現在、ユーザからの通常の見積り依頼時に主に使用します。一般的には要件確定後にユーザから個別ヒアリングを行い、工数・期間・コストなどを算出する。
概算見積りの手法
NESMA(Netherlands Software Metrics Association)がシステム開発の初期段階で使用できる方法として開発した「FP概算法」にて行うものとする。FPの正式なカウント方法で行うIFPUG法を一部簡略化させた手法であるが、見積り精度してはIFPUG法にかなり近い結果を出せる手法である。
FP概算法での概算見積り
FP試算法による見積りは以下の手順にて行う。
- 全てのファンクションについて、ファンクションタイプ(ILF,EIF,EI,EO,EQ)を決定する。
- 全てのデータファンクション(ILF,EIF)の複雑度をLowに、全てのトランザクションファンクション(EI,EO,EQ)の複雑度をAverageとする。
- 未調整ファンクションポイントを計算する。
従って、正式のカウント方法との唯一の違いは、その複雑度の評価をファンクション毎に行うのではなく、デフォルト値で決める点である。
FP法の詳細な説明に関しては別資料となる『ファンクションポイント法での見積り』を参照。
概算見積りでの注意事項
概算見積りは正式な見積りとしてユーザに提出する場合が多いと思われるが、詳細見積りでないので可能であれば詳細見積りが最終見積りとしてユーザに提出できるように提案時に話をするように心がける。
おわりに
概算見積りが正式見積りとなる場合が多いと考えられるので、正しい手法を用いて精度を上げてユーザの信頼及びプロジェクトの成功に結びつけるように進めます。