問題解決ガイドライン

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問題と課題の違い

問題と課題は大きく違います。日本語で書くと似た印象を受けるかもしれませんが、英語で書くと「Problem」と「Issue」です。問題は単なる現象や状況です。課題は解決テーマであり、解決意思の反映です。問題の整理が行われて、それらの原因を追求したものに解決するぞという意思が伴って課題となります。


分析のステップ

分析のステップは以下のとおりです。



問題を発見し、分析することではじめて課題化されます。課題化の時点で解決策を考えることができます。重要なのは本質的な問題か、そうでないかを見極めることです。

問題の抽出

課題の発端となる問題は、期待値と現実とのギャップ(差異)によって発生します。プロジェクトの目標や計画に対して実績に差異が出ている部分があるとします。この差異を問題視し、原因を追求することで課題となります。この課題の解決策を立案し、実施し、差異が小さくなることで効果が出たと言え、差異が無くなることで課題は消えるのです。
つまり、目標や計画や期待値がないとそもそも問題は発生しないし、課題化も不必要となります。だからこそ何に置いても目標設定や計画が重要視されるのです。
問題点の洗い出しの第一歩としてプロジェクトで立てた目標や計画に対する実績との差異に着目してみてください。計画が明文化されていない場合でも、ロスやリワークと認識できた時点でそれは計画との差異ということになります。

原因の分析

原因を分析していくにはロジカルシンキングのツールの1つであるロジックツリーのWHYツリーが有効的です。下図のようにWHYツリーを用いて「何故?」を繰り返し、問題を分解・追及してみてください。



ロジックツリー作成の留意点は以下のとおりです。


解決策の立案

課題の解決策を考えるにはHOWツリーが有効的です。下図のように最重要課題から「どのように?」を繰り返しながらブレイクダウンしていき、具体的な施策、つまり解決策にまで落とし込んでいきます。



改善に必要な能力

課題解決に必要な能力は主に問題発見能力、原因探求能力、課題化能力、解決策創造能力、解決策推進能力の5つです。これの能力はマインド×ツールによって発揮されます。



つまり、マインドとツールの両方から最大化を図っていく必要があります。ツールについては上記にあるロジックツリーもその一つです。こちらは学習を行うことで身に付きますが、マインド(思考)のほうは日々の活動の中で鍛えていかなければなりません。その第一歩となるのが仮説思考です。

仮説検証サイクル

仮説とは「仮の結論」であり「仮の成果」です。仮説検証とは、問題や課題に対して定義を行い、仮に解決の方向性を設定して、解決へ向けての思考と行動の一歩を進めることを意味します。課題に対して解決策が見つからないという時こそ仮説が必要となります。仮設検証のサイクルは下図のとおりです。



この一連のステップをサイクルとして繰り返し、見えない答え(真理)に近づけていくことが重要です。

3つの意識から問題を発見する

仮説検証サイクルを回すには仮説思考が重要です。仮説思考は、自ら主体的に考えることから始まります。変化を把握するには以下のように問題意識、危機意識、当事者意識の3つの意識が重要な要素となります。



問題意識は、自らをとりまく環境に何か変化はないだろうかと、たえず周囲に気を配っている状態を指します。危機意識とは、自分にとって脅威となりうる危機に気がついている状態を指します。当事者意識とは、自分が責任を持ってなんとかしなければと、今まさにアクションを起こそうとしている状態を指します。
そもそも、問題意識がなければ、危機意識などわいてきません。危機意識があるからこそ、当事者意識が生まれてくるのです。
これら3つの意識のアンテナを日頃から張り巡らせ、早期に問題を発見し、素早く対応していくことこそが何よりも大事な改善活動の第一歩となります。

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