「あなたはプロジェクトを成功させたいですか?」
 こう聞かれてNoと答える人は、プロジェクトの関係者にはまずいないと思いますが、
 
「あなたのプロジェクトはどうなれば成功なのですか?」
 と聞かれて即答できる人は数少ないように感じます。そして、
 
「あなたが何をすればプロジェクトは成功するのですか?」
 と聞くとほとんどの方が答えられないのではないでしょうか?
 プロジェクト計画が何故必要かという表題のタイトルに答えるとするならば、
まさに、上記の質問事項に答えることができるようにする為にあります。
 プロジェクト計画をドキュメント化することで、皆さんは次のような利点を得ることが
出来ます。
	- プロジェクト成否のラインが明確になる
 
	- プロジェクトの成功に至る為の作業が明確になる
 
	- ステークホルダー全員とプロジェクト計画を共有することが出来る
 
	本稿は、プロジェクトの成否の鍵を握るプロジェクト計画を
どのように作っていけばよいかに関して記述していきます。
 
 一般的にプロジェクトとは、以下のように定義されます。
	- 独自の製品やサービスを創造するために実施される期限を持つ業務
 
 そして、COMPASSではTGLで行われるプロジェクトを4つの種類に分類しています。
	- 開発プロジェクト
 
	- 保守プロジェクト
 
 - 派遣プロジェクト
 
 - 社内プロジェクト
 
以下に、各プロジェクトの特徴について説明していきます。
開発プロジェクト
 開発プロジェクトには以下のような特徴を持ちます。
	- TGL側でプロジェクト管理を行う事が出来る
 
	- 成果物が明確に定義され、新規に成果物を開発する活動がプロジェクトで定義される
 
	- 社外にステークホルダーを持つ
 
 尚、契約形態には無関係なので注意が必要です。
(委任契約であっても、TGL側でプロジェクト管理を行い
新規に成果物を開発するプロジェクトであれば、開発プロジェクトになります。)
	多くの開発プロジェクトの場合は、受注1つに対して1プロジェクトと考えることができますが、
同一のステークホルダーによって、同じ目的をもって遂行される受注の場合、それは1つの開発
プロジェクトと考えることが出来ます。以下に、開発プロジェクトと受注の簡単な関係を示します。
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同じステークホルダー(A社向け)で同じ目的(顧客システムの開発)を持った案件なのでプロジェクトは同一
 
(但し、プロジェクトが既に終結している場合はこの限りではない。また、プロジェクトメンバーが異なる場合はステークホルダーが異なるので分ける。)
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異なる目的(顧客管理システム開発と欠陥管理システム開発)の場合、プロジェクトは分ける
 
(但し、同一に統合してシステムとして開発していくようにした場合は別で、この場合は、プロジェクト名を適切な名前に変えたほうが良い。)
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異なるステークホルダー(A社向けとB社向け)の場合、プロジェクトは分ける
 
(但し、同じシステムとして開発していくようにした場合は別で、この場合は、
 プロジェクト名を適切な名前に変えたほうが良い。)
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保守プロジェクト
 開発プロジェクトによって開発された成果物に対して、保守・サポートを行うプロジェクトのことを指します。
通常、保守プロジェクトは、ユーザー単位に作成されます。
| [コラム] 保守プロジェクトがユーザー単位で作成される訳 | 
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保守プロジェクトがユーザー単位で作成される要因の一つに、保守はサービス活動の一つと言う
考えがあります。瑕疵を過ぎた欠陥や仕様追加などの無償対応をどれだけ行うかは、
そのユーザーにどれだけサービスをするかということを経営戦略の点から捉える必要があります。
その為、本来であれば、無償での保守対応と有償での保守対応。そして、瑕疵対応は目的がそれぞれ
異なる為、明確に区別しておく必要があります。
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 開発プロジェクトは、ユーザー単位で作られるものではないので、開発プロジェクトと
保守プロジェクトは必ずしも一対一の関係になる訳ではありません。下図は、
開発プロジェクトと保守プロジェクトの関係を示しています。
 開発プロジェクトが終了した後、そのプロジェクトのユーザーと同じ保守プロジェクトへ
引き継がれます。この時、引き継いだ開発プロジェクトを保守プロジェクトのソースプロジェクト
と呼びます。引き継いだ後に出た不具合や追加案件などの対応は、全て保守プロジェクトが引き受けます。
 保守プロジェクトに関する詳細な内容は、保守プロジェクトガイドラインを参照してください。
派遣プロジェクト
 派遣プロジェクトとは下記の特徴のどちらかを持つようなプロジェクトです。
	- TGL側でプロジェクト管理を行う事が出来ない
	
 - 成果物が明確に定義されずに、新規に成果物を開発する活動がプロジェクトで定義されない。
 
 プロジェクト管理を行う事が出来ない或いは成果物が明確に定義されていないことから、
派遣プロジェクトは
成果物の完成責任を負わないのが大きな特徴です。
その代わりに派遣契約では
役務の提供に関する責任を負うことになります。
 その為、派遣プロジェクトでは、
如何に顧客の満足を得る活動が出来るか?
ということが重要になります。
社内プロジェクト
 ステークホルダーが社内に閉じる全てのプロジェクトを指します。
例えば、社内ITソリューション開発プロジェクトは、そのITソリューションの開発
依頼をした人も使用する人も内部の人間(従業員)となるので、社内プロジェクトになります。
従って、一般ユーザー向けのソフトウェア開発などは、開発依頼が内部でも
使用する人が外部の人間であり、ステークホルダーが社内に閉じていないので、
開発プロジェクトとなります。
 
 プロジェクト計画とは、プロジェクトの目的や目標を明確にし、それらを達成する為の
活動を示したものです。
 プロジェクト計画には様々な要素が含まれます。それを図示したのが下図になります。
これらの詳細な説明は、プロジェクトの作り方の項目で説明します。
| [ツール] COMPASS-ITSとプロジェクト計画の関連 | 
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COMPASS-ITSでは様々な形でプロジェクト計画が実現されています。
 それぞれの画面の対比を如何に記載します。
 
 
プロジェクトプロファイル等、基本的な情報は、厳密に入力していただく必要があるため、
COMPASS-ITSの画面から登録するように決められています。
但し、管理計画など、各プロジェクトに合わせたフォーマットで記載した方が良いものは
特にフォーマットを決めずにそのファイルをデヂエに登録することになります。
これによって、プロジェクト側はより柔軟にプロジェクト計画を立てることが可能です。
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