要件開発の目的
システム開発における「要求」
一般社会では、曖昧な要求が誤解されて問題が生じた場合、それは要求を受け取った側ではなく伝えた側により大きな責任を課しているようにおもわれます。
システム開発における「要求」とは、一言でいえば「ある目的を達成するためのシステム仕様」といえます。
この「要求」は抽象的な意味での「要求」とは異なり、
重要なのは、要求そのものでなく目的にあり、その結果については開発側が大きな責任を負います。
要件開発の目的
要件開発フェーズでは、顧客の要求を把握し、システム要件を確定していきます。
しかしながら、顧客が口にした要求だけが「要求」になるわけではありません。
顧客が自らすべての要求を把握しているわけではないからです。
システム開発において、顧客の本当の要求を把握するためには、
単に顧客が口にした要求を収集するだけでなく、
その要求の背後にある動機、さらにその背景までをも考慮に入れて、
開発側が本当の要求をひきだす必要があります。
要件開発で大事なことは、このようにシステム開発側が顧客と一緒になってシステム要件を確定していくことです。
また、システム要件を確定することだけにこだわってはいけません。
要求はかならず追加され変更されるものです。
よって、要件開発では、要求が追加変更されることを十分想定した上で、
要件を確定していくことが重要です。
要件開発フェーズの実作業の目的
いくら顧客の要求をつかんで、システム要件を確定しても、それが担当者の頭の中にだけ存在するのでは、意味がありません。
要求はかならず文書化(データベース化)しておきます。
ここで重要なのは、要件開発フェーズ以降で必要となる情報は、すべて文字にするべきだということです。
確かにすべての情報を文書化するには大変な労力を必要としますが、文書化にあたって細部を省略したり、
要求の根拠や背景を省くことは、結局は節約した時間や費用をはるかに上回る代償を支払うことになるのです。
更新履歴