プロジェクト分析会ガイドライン

ガイドライン進捗管理ガイドラインプロジェクト分析会ガイドライン1 / 2 / 3
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はじめに

プロジェクトを成功させるためには、適切なプロジェクト計画を立てることが重要です。
しかし、その計画通りにプロジェクトが実施されなければプロジェクトは失敗します。
計画を実行するにあたって重要なことが2つあります。ひとつは、プロジェクトの状態が可視化されていること。 もうひとつは可視化されたデータを元に、プロジェクトが計画から外れたと判断された場合に適切なタイミングで適切な是正処置を講じてプロジェクトを正しい道に引き戻すことです。
これらを正しく行うことはプロジェクトマネージメントの基本です。
COMPASSでは、可視化されたプロジェクトの情報を元に、プロジェクトの状態を把握する場としてプロジェクト分析会を開催します。
本ガイドラインでは、プロジェクト分析会で行う内容について記載します。

プロジェクト分析会の目的と内容

プロジェクト分析会の目的は、可視化された情報を元に、適切なタイミングで、適切な是正処置を検討することです。
あわせて、プロジェクトをよりよい状態にするためにふりかえりによる改善活動を実施します。 これはベストプラクティスの収集という目的も含んでいます。

具体的には、主に以下のような活動を行います。

課題と改善

分析結果の出力として、課題と改善がありますが、両者は以下のように区別することとします。

課題

 プロジェクトを行ううえで、問題の解決あるいはリスクへの対応のために行う作業を指します。
 タスクとしてスケジュールに組み込み、進捗管理の対象となります。
 課題を実施しなければプロジェクトの成否に直接影響を与えることになります。

改善

 創意工夫によりプロジェクトをよりよくするための活動です。
 プロジェクトをよりよくするために改善できる問題はないかという視点で検討を行います。
 ベストプラクティスを収集するための活動の一環でもあります。

予実の分析

実績値を収集し、予定との差を見ることで是正すべき点がないか検討します。
コスト、納期に関しての分析対象としては、スケジュール、見積り工数と実績工数の比較。
品質についての分析対象は、予想される欠陥数とテスト、レビューなどの欠陥検出活動により検出された欠陥数の比較を行います。

それぞれの詳細については別途記載します。

コスト、納期に関する分析
品質に関する分析

リスクの特定と分析、評価

マイルストーンやステージの区切りなど、プロジェクトの状態が大きく変化する際に全体のリスクを見直すために行います。
※詳細はリスク管理ガイドライン参照。
リスク管理ガイドライン

ふりかえりによる改善

ふりかえりシートにより良かった点を定着させ、問題点には解決策を立てて改善を行う活動です。
ベストプラクティスを収集するための活動でもあります。

ふりかえりシートは一般的に以下のようなものです。



Keepには実践してよかった点、Problemには問題点、Tryにはこれから実践する改善策を記載します。
Keepに書かれた項目は定着し、Problemに書かれた項目は、Tryの元になります。
Tryで実践された項目はその結果により再度Problemになるか、Keepに移動することになります。

実施のタイミング


これらの活動についてはそれぞれ実施に適したタイミングがあります。
・QCDの視点から予定と実績を比較する。
 プロジェクトの状態にもよりますが、適切なタイミングで是正が行えるように、一定周期(一週間ごとなど)、およびマイルストーン時に実績を収集し実施します。

・問題点から課題を見つける。
  問題が発生した際には随時課題を検討し、実施に移す必要があります。
  問題があるにもかかわらず分析会のタイミングまで待つと適切なタイミングを逃すことになります。

・リスクを特定する。
 リスクの状態が大きく変化するタイミング、具体的には、要件開発完了時や、設計、実装などの作業が一区切りした際に実施すると効率が良いですが、プロジェクトの状況にもよります。

・ふりかえりによる改善を行う。
 一定期間ごとに定期的に行うことが必要です。

以上のことから、ふりかえりによる改善は毎回の分析会で、予実の比較はプロジェクトで計画した実施タイミング(毎回あるいはマイルストーン時のみ)で行う分析会、課題については随時といったようになります。
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