プロジェクト分析会ガイドライン

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コスト、納期に関する分析

スケジュールと工数はプロジェクトが実際に進展する中で計画から逸脱することが多くあります。
わずかな逸脱については「正常」範囲内とみなし、特に注意を払わなくても良いのですが、著しい逸脱はプロジェクトの失敗に結びつく可能性がありますので、分析を行うとともに必要に応じて何らかの制御処置を講じる必要があります。
マイルストーンでの逸脱が限界を超えている場合にはプロジェクトに何らかのトラブルが発生し、目標を達成できなくなる可能性があるということです。このような場合には、プロジェクトマネージャが逸脱の原因を突き止めて、必要に応じて是正処置と予防処置を講じなければなりません。
また、許容範囲を超えていない場合でも、マイルストーンごとに一貫して増加が見られる場合などは対策を講じる必要があります。
実際に対策が講じられた後、次のマイルストーンで逸脱が減っていれば対処がうまく機能しているということになり、処置を講じたにもかかわらず、変わらず逸脱している、あるいは逸脱が増加している場合には、別の処置やより思い切った処置が必要であることがわかります。
さらに、マイルストーンでは、それまでの実績にだけでなく、今後の予想について調べることも大切です。
次のフェーズに入る前に利用可能な資源と必要になる資源を検討し、必要な資源が確保できない場合は明らかになんらかの処置が必要となります。

工数・スケジュールの分析ガイドライン

コスト、納期に関する分析のガイドラインとして工数、スケジュールの予実に差異が生じた際に考えられる原因と、対処の例を以下に記載します。

考えられる原因 検討すべき処置
実績が見積りよりも少なく、その差が許容範囲を超えている場合
プログラムに対する見積りが高すぎたか、プロジェクトチームに予想以上に経験、知識があった
  • 今後のモジュールについて見積りをやり直す
  • リソースを開放する
これまでのタスクが完全に実施されていない
  • これまでのタスクをレビューし、レビューされていない作業成果物についてはレビューを計画する
  • 課題ログを調べる
実績が見積りよりも多く、その差が許容範囲を超えている場合
ドメイン知識が不足している
  • トレーニングのスケジュールを立てる
作成者のソフトウェア・コーディングの経験不足
  • タスクを割り当てなおして経験者を活かすようにする
新しい技術分野である
  • 再見積りを行うか、リソースを要求する
  • 納入期限について交渉する
見積りが楽観的すぎた
  • 工数が余計にかかるコンポーネントはどれかを特定し、今後の活動の見積りを改定する
  • リソースを要求する
  • プロジェクトの目標をスケールダウンするよう交渉する
リソースの最適化が不十分
  • タスクのスケジュール作成と優先付けをやり直し、「待ち時間」を見つけてこれをなくすようにする
重要なリソースが利用できない
  • 課題をエスカレーションする
  • バックアップリソースを用意する
  • 重要なリソースに留意してスケジュールを立て直す
それまでのフェーズの成果物の品質が悪く、手戻りが多すぎる
  • 問題の原因を突き止めて是正する
  • プロジェクトのスケジュールを変更する
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